@腱板が炎症を起こしている様子を表現している。
 炎症を起こした腱板は、むくんで腫れ上がっている。そのため、トンネルの中を行き来するときに,圧縮され痛む
 特に、腕を高く挙げるには、トンネルの屋根に強く押されるため、激痛となる。
 さらに、コブ(大結節)が屋根ぶつかり、腕を挙げることが不可能になる。
 この炎症の状態が続くと、腱板は縮み、肥厚し、硬くなる。その結果、拘縮期に至る(第2肩関節での病理説明)
A第1肩関節は、指や手首の関節と同じ普通の関節である。肩関節といえば、この関節のことである
 捻挫などの外傷による関節炎は、関節包などの損傷が有るため、治るのに日数が必要である。
 五十肩では、関節包などの損傷が無いため、適切な処置により、早くに治せるはずである。
 第2肩関節とは、肩の病気を理解し易くするための、便宜上の呼び方で、関節ではない
 五十肩を解き明かし、早くに直すためには、第2肩関節の表現は、便利で、重要ある。
五十肩の
3つのパターン
第1と第2肩関節の両者が炎症(合併しているパターン) 痛みの場所が移動する。肩の前後(第1)と側方(第2)との2カ所。
処置を間違うと、重症に陥りやすい
両者、別々の治療をする意識が必要。
第2肩関節が単独の炎症 肩の側方での痛み。肩から肘に痛みが、放散する。
関節ではなく靱帯の炎症で、治り易いはずだが、夜間痛があるために慢性化しやすい
第1肩関節が単独の炎症 肩の前>後での痛み。若年者、高齢者にもみられる。原因が明らか。
五十肩特有の拘縮を生じない→五十肩とは言えない
外傷や骨の変形が無ければ、適切な治療で治りやすい。
数字の名称 説明
1:腱板 棘上筋などの、4つの筋肉の腱が結節に着き、板状に見えるため、腱板と呼ばれている。
肩関節の脱臼を防ぎ、スムーズな動きを提供する。
赤の点線は、腱板が炎症を起こし、腫れている様子を表現している
2:棘上筋 他に、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が腱板を構成している。これらの筋は肩甲骨と腕を結んでいる。
3:大結節 筋肉が着きやすいための骨のコブである。大と小がある。大結節に着く、棘上筋の腱が炎症を起こしやすい
4:肩峰 肩甲骨の一部 連結したこの3者は、弓状でトンネルの屋根に当たる。肩の脱臼を防ぐ。腱板がこのトンネルの中を行き来することで、腕が上下する。その時の支点になる。なわち、腱板が、この屋根に押されながら、大結節を潜りこませることで、腕を挙げることが可能となる
5:烏口突起
6:靭帯 4と5の間に張っている
7:滑液包 クッションの役割をする。思いのほか薄いようだ。
8:関節包 膝や手首と同じ普通の、真の関節である
肩関節と言えば、この関節を指す。
9:関節軟骨
10:肩甲骨 11:上腕骨 12:三角筋

五十肩の捉え方と治療

(1)五十肩とは
   五十肩は誰でも知っている病気です。
   50才代を中心に、肩での、痛みのほかに動きが制限される病気です。
   しかし、医学が発達した昨今でも、いまだに、原因が明らかになっていません。
   治療法も色々です。
   摩訶不思議な病気と言えます。「たかが五十肩、されど五十肩」です。


(2)当院での特徴
  @当院では、五十肩の原因を「単なる腱板炎」とすることで、良い結果を得られるようになりました。
   腱板とは、幾つかの筋肉の腱が合わさって、板の様になった腱のことです。
   腱板があるのは、体の中で、肩だけです。肩の複雑で、力強い働きを可能にしてくれます。
   「腱板炎+肩(関節)の癒着説」が多い中で、当院は「腱板炎 単独説」をとり、より早く、誰にでも、
   確実に治すことが可能となりました。 

 A五十肩を語る時、当院以外で語られない重要なことがあります。
   炎症を起こし腫れあがった腱板にとっては、寝ること(臥床)が毒と言えます。
   多くの炎症による病気は、寝ることで、安静となり、治る手助けとなります。しかし、
  炎症を起こした腱板は、横に寝ることで、圧迫を受けやすくなり、慢性化の元凶となります。
   寝ることが必ずしも安静でなく、修復組織の治そうとする働きが、十分に発揮できません。 
   五十肩をより早く治し、腕が上がらない状態(拘縮)を避けるためには、
  横になって寝ることが毒の理解が不可欠です。

(3)当院と他院との相違点

当院の特徴 通例での五十肩の捉え方と治療
原 因  腱板炎 単独 説  腱板炎+肩関節の癒着 説
経 過 @疼痛期を短縮
A拘縮期と寛解期での回避と短縮
 が可能
 疼痛期----→拘縮期----→寛解期
(肩が痛む時期) (肩が固まる時期) (緩み動き出す時期)

と経過することを必然と捉える
夜間痛 昼でも夜でも、横に寝ることで、
腫れあがった腱板が圧迫され痛む
      ↓
   五十肩が形成される元凶
自律神経の日内バイオリズムなどに
よるもので、夜間痛を生じるのは仕方ない
治 療 @冷湿布、アイシングを励行。保温は重要
A寝る姿勢、日常の動作に注意が不可欠
B腕の振り子体操を励行
C筋肉の柔軟化
@気持ちが良ければ、冷やしても温めても良い
A肩の運動をしなければ、肩が固まってしまう
B確実な治療が、いまだに無いのが現実
治療目標 @疼痛期は数日が勝負
     ↓ 
A拘縮期と寛解期を回避する
B拘縮期と寛解期を短くする
@痛みを軽くする
A疼痛期→拘縮期→寛解期での全期間の短縮
呼び方 あくまでも五十肩 肩関節周囲炎、もしくは五十肩

(4)五十肩の歴史
  @日本では、既に1800年頃、江戸時代の本に「五十肩」の表現が使われています。
   外国では、1872年に、デュプレイ先生が、「肩関節周囲炎」と名付けました。研究の業績から、
   「Duplay病」とも呼ばれました。
   (当院では「五十肩」の表現しか使いません。この表現に病気の本質を解き明かす鍵があります。)
                               ↓
   50才代になると何故、肩のどこに、どのような炎症を生じるのか、
   後世の人に解明して下さいと託した意味がこめられている、と考えます。
   「五十肩」、またそれに準じた呼び名は日本だけです。
   200年も前に、日本で命名したことは、世界に自慢できることです。
  A最近までは、五十肩の学説は、百家争鳴の歴史でした。
   百人の研究者がいれば、100の学説がある時代でした。
  B最近は、「腱板炎+肩関節の癒着」の学説が大勢を占めています。
   腱板の炎症と伴に、肩関節(腔)にも炎症が起こり、癒着し、肩が上がらなくなる。と言う考えです。
   肩関節の造影写真や最新のMRI像により、あたかも癒着しているかのように見えるからです。
  C但し、頑固な肩の症状に見合った、癒着説を証明する病理学所見が得られていません。
   その摩訶不思議さから、全ての研究者による賛同は得られていません。
   そのため、癒着説は、あくまでも仮説に止まっています。


(5)当院での五十肩のとらえ方
   【肩関節の癒着説に対する疑問】
  @肩関節がどのような癒着をしているのか、いまだに明らかにされていません。
   神経の麻痺でもなく、リウマチでもなく、膝のように変形性関節症でもない。
   長い人は2年も拘縮が続き、それが月日が経てば治療しなくても治ってしまう。
   癒着説を唱えるためには、何による何性の癒着なのか、病理学的に説明しなければなりません。
  A病理学的に証明されない程度の癒着ならば、針灸治療がもっと効果を発揮して良いはずです
  B拘縮した肩を挙げたレントゲン写真は、腱板が縮んでいる結果と読んだ方が理にかなっています。
  C腱板炎と肩関節炎とは区別できます。痛む場所と痛みの生じ方に、それぞれの特徴があるからです。
   腱板炎と肩関節炎とは合併することが多いが、腱板炎だけでも、五十肩に成れます。
   しかし、肩関節炎だけでは、五十肩に成れません。すなわち、五十肩特有の拘縮を生じられません


 (6)【「腱板炎 単独説」を理解する




































 (7)【腱板炎単独説を主張する根拠】
  @議論百出の時代にも、「腱板炎単独説」はありました。しかし、日の目を見ませんでした。
   理由は、病理学所見や画像による証明がないほかに、治療効果も提示できなかったためです。
   当院の「腱板炎単独説」では、効果のある治療を提案することができます。
  A「腱板炎単独説」では、多くの研究者が、五十肩特有の症状をシミュレーションできないだけです。
   腱板の炎症単独では、一連を経る五十肩特有の拘縮を生じられないだろうという先入観です。
  Bその先入観を払拭する病気があります。ばね指です。
   腱にコブができ、指を伸ばそうとすると、腱を覆っている靭帯(輪状靭帯)にひっかかる病気です。
   五十肩とばね指は、共に腱に炎症を生じ、硬く、肥厚する病気です。似た者同士です
   両者を比較することで、病気の実体を解き明かすヒントとなります。